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モラハラの原因は人格障害

「モラハラ(モラルハラスメント)」という言葉がひんぱんに使われるようになりましたが、このモラハラの加害者というのはただ単に妻や恋人を精神的に虐待して楽しんでいるわけではなく、精神的に人格障害があることが多いことが最近わかってきました。

人格障害には「妄想性人格障害」「スキゾイド人格障害」「統合失調症型人格障害」「反社会性人格障害」「境界性人格障害」「演技性人格障害」「回避性人格障害」「依存性人格障害」「強迫性人格障害」そして「自己愛性人格障害」などの分類があります。このうちモラハラの加害者になりやすいのが自己愛性人格障害(Narcissistic personality disorder)と呼ばれるものです。

このタイプの人格障害を持っている人は自己愛が強いような印象を受けますが、現実にはその逆で、自分に自信がない、あるいは強いコンプレックスに悩まされていることが多いものです。表向きは自信があって何か特別な人間のように振る舞うのですが、心の底では「自分はだめだ」「何もかも自分が悪いのだ」といった自己嫌悪感でいっぱいです。

こういう人は瞬時瞬時が不安の塊ですから、その不安を取り繕うために妻などに八つ当たりし、それで精神的なバランスを取っています。本人はそれでいいかもしれませんが、八つ当たりの対象となった妻や彼女はたまりませんよね。

自己愛性人格障害者の傾向

自分に自信がないのに他人から賞賛されたり特別扱いを受けたがるのも自己愛性人格障害の人の特徴です。このタイプの人格障害に至る人は乳幼児期に両親の通常の愛情を受けられなかった経験を持つことがほとんどです。

たとえば十分な愛情を受けられずに育った子どもは自己愛性人格障害になりやすいと言われています。両親が忙しい、あるいは離婚や別居などをしたために偏った愛情を受けると子どもは自分が何か価値のないもののように思い込んでしまうことがあります。

あるいは親が過保護だったり過度に威圧的で、自分のやりたいことを子どもらしくできずに常に抑制されて育つとやはりこのタイプの人格障害に陥りやすいことがわかっています。いわば、被害者である幼児期を過ごした人が現在はモラハラ夫となって妻や家族にあたるという構図です。

できるだけ早く診察を受ける

自己愛性人格障害は心理カウンセリングや精神科の治療によってかなり改善されることもありますが、年を重ねれば重ねるほど症状が悪化するのが特徴ですからできるだけ早く診察を受けて治療することをおすすめします。薬を服用するだけで嘘のようにモラハラが改善されることがあります。

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